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2009年6月

2009年6月 4日

merry-go-round

蛍狩りに出掛けること約束したのは、連休明けのまだ暑くなるのかどうかも判らない時期だった。
お祭りのポスターをどこで眼にしたのか、約束を覚えているのかと箸を口の端に引っ掛けるようにして、毎晩のように訊いてくる。
「あのね、お地蔵さんの裏の田んぼに、ホタルの幼虫がいるって○○チャンのお母さんが言うてはったんよ、、。」

幼虫は水の中に住むテントウ虫の幼虫と云えば想像に難くない。マットな黒い色に斑点が付いている。
「お友達のお母さんは、たぶんカワゲラか何かと間違えてはると思うな。もう今頃は土の中でマユを作ってさなぎになってるんよ。」

Birthday_cake「ちょっと奮発したんやよ。お馬が、、、。」
家人の咳払いがその先は禁止語句であると制していた。

「お馬がグルグル廻ってるのに、また乗りに行こうか?」
「そんなんはもう卒業したんよ ! もっと速いアトラクションに乗ってみたいんよ、、。」

速い乗り物、アトラクション、、、
もう今では考えていること、思い巡らしていることも言葉で上手に伝えられるようになった。それはそれで嬉しいし当たり前のように安心できる。逆に舌足らずで意味のよく解らない言い回しが楽しかった時分を懐かしく感じてしまう。

「お誕生日おめでとう ! 今年も元気でいられますように、、。」
「それって、年賀状の言葉みたいやん、、?」
姉の一言がよほど面白く聞こえたのか、ふたりしてゲラゲラといつまでも笑っていた。

タイトルは三浦哲郎の作品より。物語のチサちゃんの健気な振る舞いに、男親の寂しさがよけいに大きく伝わってくるのは「短編の名手」たる技だろうか、、。

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