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2009年5月

2009年5月29日

I'm Here

娘の理科の観察に付き合わされて一週間になる。
蝶のふ化を自らの眼で確認することが目的のようだが、当の本人は
「もうね2年前に宿題で済ませたし〜、あの時はアゲハやったから臭いがすごかったなあ〜、、。」
と、1年の自由研究でアゲハ蝶の観察をしたことを振り返ることばかりで、目の前のモンシロチョウの小さなアオムシにはあまり関心が無く、エサのキャベツの入れ替えもこちらが言わないと放ったらかしになっている。

「あっ! 今日はキャベツが切れてるさかい、ニラあげとくわな、、。こいつも小そうても臭うなりそうやで、、。どうや?」
「そんなんあかんで ! お腹こわしたら可哀想やん、、。」

Kumachanカーテンからこぼれてくる光は、もう夏のような鋭さがある。網戸を通り抜ける風には、青い青い匂いが運ばれてくる。

「あ〜あ、こんな時はカルピスやね! 早よ飲みたいな今年のカルピス、、。」
コンビニでいつでも手に入るものでも、季節が感じられないものは子たちも手を伸ばすことがない。
「・ ・ ・ 麦茶ではあかんか? もう6月やもんな〜。せや明後日の日曜日にホタル見に行ってみよか ?」
「そう、そう、カルピス用の水汲みに行かなあかんね !」
もうすっかりカルピスに大脳を支配されたようで、振り向くたびにチャプチャプと頭から聞こえてきそうだった。

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2009年5月27日

My Dear Wife

インフルエンザの煽りはまだまだ収まるふうもなく、ゴト日を過ぎても身体を持て余すことが多い。
例年は蛍狩りに訪れる人のざわめきが通りに響いているものだが、絶好の日和であってもいつもの喧噪はなく、遠くから聞こえる新幹線の通過音が、粘っこいようにいつまでも耳につく夜が続いている。

今夜はヒドく蒸すような気配があり、どんな様子なのかうかがってみようかと考えている。

Book前評判の高い邦画が夏に封切りになると聞いたのだが、あいにくこの田舎にはロードショーの予定はないらしい。
ならばその監督の書き下ろした小説でも読んでみようと、ビスケット缶の中の小銭をかき集めていると
「図書館にリクエスト出しておきましたから、、。カード忘れずに、出掛けたら、、?」

新聞の書評欄には目敏く、五感が働いていたようだった。
まとめた小銭は家人の通帳にこっそりと移しておいた。
気も、財布も些細なことで軽やかになった。

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2009年5月15日

此処で会ったが100年目

今年は生誕100年を迎える作家が多く、中央公論では特集も組まれていた。
太宰に中島敦、清張、大岡昇平、そして私には難解な埴谷雄高、、。
メディアでもテレビでは "清張ものドラマ" が帯に名を連ねているし、向田邦子による脚本で放映されたものもあったようだ。
映画は「点と線」がリメイクされるようで、太宰の「人間失格」も流行りのスタイルの若い俳優が主役をはることを子たちから聞いた。

新しい「小説新潮」を繰ると、丁度清張の特集であの宮部みゆきと北村薫との対談が載っていた。
埋もれていた短編や未発表の作品に光を当てているような感じで、私の知らないものばかりだった。全集には入らなかったものにも、作り手の側からはすればトリックはもちろんのこと、プロットにも頷くことが多いようだ。
これらの作品は時間があれば是非読んでみたい気になった。

このところ寝入る前に、子たちに借りたはず?の柳宏司「虎と月」に目を落としている。
昨年、本屋大賞で惜しくも2番手だった「ジョーカーゲーム」が面白く、ヒロイズムを丹念に綴った印象が残っている。この「虎と月」は中島敦の「山月記」から構想を得ているようで、メタモルフォーゼを使い、親子の情を子供向きに丁寧に描かれている。
早く読み終えて子たちに渡さないとならないのだが、
「そんなにチビチビやってると、ほんとにトラになってしまうわね、、。」
と、月の描かれた盃を傾けるたびにオークション会場? から声をかけてくるので、なかなか集中して読み進められないでいる。

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2009年5月 7日

「ユニヴァーサル」と聞いて

あまりにも長い連休では、時間はあってもタマに余裕がないためにお得感のあるETCを使い、予期せぬ?渋滞やらで却って疲労を感じさせる光景がテレビでだらだらと流れていた。
こぞって自動車で移動することが、景気浮揚に本当に繋がるのかは疑問だが、温暖化抑制の為には逆効果のように思うのだが、インタヴュアーの向けるマイクからはそういった声を拾うことは出来なかったようにみえた。

、、、と、これでは世間の休みに仕事に勤しむ人間が垂れるグチに聞こえてしまう。

そういったテレビで知る世界をもっと身近にするのに、家族サーヴィス? は必要になってくるようだ。
それに狭い家に籠ってレンタルビデオを楽しんだり、カード・ゲームで喧嘩になるよりは、曇っていても外に出て風や音や光を感じる方が子供たちには相応しい。(生き物総じてか?)

「宿題も自分学習も、お習字もがんばってやったようやさかい、何処か出掛けよか? 何か美味しいもん食べに行こか?」
と、水を向けると、待ってましたとばかりに声をそろえて言った。
「ユーエスジェイに行きたい。帰りに大阪のお好みが食べたい!」
どうも図書館を利用して事前に綿密に調べてあったようで、誕生月に入場料を値引きしてくれるユニヴァーサル・スタジオへ出掛けることになった。

電車、クルマどちらであっても約2時間はかかるのだが、ETCに縁の無いうちは、当然JRという選択になった。
さすがに連休最後の日はタマ切れの人が多かったのか、梅田もUSJも考えていたような混み具合ではなかった。
一番有り難かったのは行列を苦痛に思うことなく、開場から半日ほどでアトラクションを6つも楽しむことが出来て、子供たちは十分に満足したようだった。
ETのアトラクションは連休明けで終了が決まっているせいもあって、そのエリアは結構賑わっていた。
「もひとつ古いJAWSは続けまっさかい、ジュラシック・パークもありまっしゃろ、、。スピルバーグはんにはちょっと遠慮してもらいまひょか、、?」
とかあったんやろか?

念願のお好みも口にでき、何もかも叶ったからか、帰りの電車では「そんなに首曲がらんやろ?」ぐらいにおかしな格好で寝息を立てていた。
「ET」の後釜がヒッチコックの「お化け屋敷」にでもなれば、夏休みに再び誕生日パスで出掛けても良いのだが、、。

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2009年5月 3日

オークション会場にて (実はフラットパネルの前)

家人が参加しているネット・オークションは日々盛況で、ほんのふた月ほどで小さな一冊分の「顧客名簿」が出来上がったようだ。
うちでの不要品は(取り引き相手にとっては"優良品"であることは違いないのだが、、)沖縄以外の日本中に引き取られていった。
もちろんそれらは"ガラクタ"ではなく、知らない間にちょっと古くなってしまったモノたちばかりで、現代では温暖化に逆行していたりする面もあるのだが、それらのいぶし銀とでもいうべきモノの輝きは残っており、且つひとつひとつを手にしても趣は備わっているように思える。

出発を待つようにテーブルに並んだ、くすんだガラス瓶に屈折する光がゆらゆらと 「こっちにおいでよ、、。」と、手招くようにしている。
そういった鈍い輝きを尊び、存在を慈しんでくださる人々のもとへと旅立ってゆく、、。
「レトロ」と呼ばれるちょっと古い品々が和みを与えてくれたり、手仕事の造作に安らぎを感じたりするのだろう。
またブリキやスズの缶のひんやりとした感覚が、遠い記憶を呼び覚ましてくれるようなこともあるのだろう。

行く先でどういった使われ方をするのかより、何を思い起こす手伝いをするのか、、?
最近ではどうも懐疑的なことばかりを考えている。

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