ジングルベルの頃
本年を締めくくる仕事に、必要なものを買い出すのに京都へと出かけた。
白梅町の前の豆腐屋さんでは、近くの警察署まで延びた行列ができており、ここもあれか?スウィーツか?と思い巡らせながら西を目指した。
師走と云うだけあって、ミニバイクで駆けるお坊さんを通りごとに見かけた。
檀家へのあいさつと、最後の法話を聞かせるのに忙しいのだろう。
下の娘が新型で休んでいることもあり、何か元気の出るモノをと思っていたのだが、目的のお店での仕事の話が長くなり、クリスマスやお正月のお飾りやらカレンダーやらを、ゆっくりと探してやることは出来なかった。
代わりに東洞院のタルトを買って帰ることにした。ロールケーキで有名なこのお店は、もう店頭ではそれを求めることは出来なくなり、通販のみになったと聞いている。それも予約の電話が全く繋がらないため"幻"と冠されているらしい。
もうひとつのリクエストは"豆パン"だった。百貨店のベーカリーでうぐいす豆がこれでもかと入った、フランスパン生地のコッペと、金時豆が詰まったライ麦パンを沢山買ってやった。
自身には同窓会用に購入した一張羅に合うシャツを探したが、中々良いものは見つからず、クローゼットで眠っているのを起こす必要になりそうだ。
今日は穏やかさを通り越して、汗ばむほどに暖かい一日を、すすっと走り抜けた感じだった。
両手に荷物を抱えて百貨店を出ると、ジングルベルが聞こえてきた。
いつもはもう薄暗がりの時刻だったが、今夜は満月に照らされているせいかほんのりと明るく、月光が通りを満たすような深夜に、やっと静寂が訪れるのだろう。それほど都ではせわしく人が行き来していた。
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